鹿児島〜命を賭けた戦い
2004年8月21日、音楽至上歴史の1ページに残る出来事があった。それは、鹿児
島にある桜島という立地条件の悪い場所に75000人を動員した「長渕剛オールナイトコン
サート」。剛の出身地・鹿児島で命を賭けるという2年前からの約束を見事に有言実行した一
大イベントだ。
今まで兄から余ったライブチケットをもらうことは何度かあったけど、今回初めて「ラ
イブを見にいきたい」と意気込んでチケットを購入し旅行も兼ねて車で南へと駆け抜けた。
8月20日(金)
いやぁ、1日でホントに駆け抜けるなんて。仕事が終わってからすぐ実家へ戻ってその
まま運転。もうライブが待ちきれなくて、疲れなんて全然なし。
やっぱり高速道路といえばサービスエリアだよね。今回も休憩がてら色々寄ってみたぞ
。
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実家(王子)出発 0:55
横浜インター 1:55
海老名SA 2:05〜2:15
足柄SA 2:55〜3:00
富士川SA 3:30〜3:40
浜名湖SA 5:00〜7:15
吹田SA 9:50〜10:00
三木SA 10:45〜10:50
吉備SA 12:00〜12:35
福山SA 13:10〜13:50
宮島SA 14:50〜15:00
壇ノ浦PA 16:40〜16:55
古賀SA 17:35〜18:20
宮原SA 20:00〜20:10
桜島SA |
うまい、薩摩の味 |
21:20〜22:25 |
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やってきました、日本で一番南にあるサービスエリア。
ここのお勧めメニューが「さつま御膳」。地元鹿児島産黒豚の骨付き肉と大根・椎茸・
こんにゃく等の煮物、鳥の刺身、さつま揚げ等、鹿児島の味が並ぶ郷土料理。煮物の肉はとろ
けるほどで、桜島大根も苦味がなくて甘い。さつま揚げは表面がパリッとしていて食感も楽し
める。
熊本からずっとそうだったが、ここから先も電灯のない高速道路を、周りのスピード狂
とともに疾走した。
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道の駅
喜入 |
昼はにぎやか、夜は静か |
23:45〜翌8:00 |
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ライブ会場には駐車場がなく、かといって鹿児島市街の有料パーキングに1日半も置い
ておけば数千円もかかる。どこかに無料駐車場がないかと思い、旅行前から目をつけていたの
が、24時間駐車場利用可の「道の駅」だ。いやぁ、便利だね。
明日のオールナイトに備えゆっくり寝るのにはピッタリの静かさ。最寄り駅まで遠く、
さらに鹿児島市街までも20kmくらいあるが、準備万端で明日を迎えることができた。
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8月21日(土)
いやぁ、よく寝れました。やっぱり前回のように後部座席に自転車があったのと違い、
座席を完全に倒してグッスリ。戦う気力満タン!!
鹿児島の自然、電車、市街地の風景などなどを体で感じながらの桜島渡航となった。
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喜入駅8:25
谷山駅9:00
海乃屋 |
純粋な味に感動 |
10:30〜11:00 |
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長渕剛が高校時代通い続けていたというラーメン屋。壁にかかる剛の写真を見つつ、ま
ず出された醤油づけの大根を食べる。
鹿児島ラーメンは、盛り付け時に丼に麺を入れ具を乗せてから最後にスープを入れる独
特の方法をとる(これで味が変わるかは不明だけど)。スープは透き通っており、味は「醤油
ラーメン」「塩ラーメン」と言われても信じ込んでしまうくらいだが、深く味わうと確かに豚
からとった「鹿児島風とんこつラーメン」なのだ。初めて食べる味に感動。
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谷山駅11:05
水族館口駅12:00
桜島フェリー |
薩摩の風が吹く♪ |
12:10〜12:30 |
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桜島は昔は「島」だったのが、過去の噴火により陸続きになった。…んだけど鹿児島市
街から行く場合はフェリーを使わないといけない。写真の長渕剛ももちろんこのフェリーで会
場へ。
剛の立っている場所は展望がいいものの、雨や日照りの日は悲惨なことになるのだ。桜
島全体を眺められるスポットは案外少ないので、桜島を見たいのなら気候の良い時にここから
眺めるのがいいかな。
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桜島
溶岩グラウンド |
全国の剛ファン集結!! |
12:40〜19:30 |
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フェリーを降りて10分ほど歩くと、そこにはグッズを買う剛ファン、グラウンドで並
んで待つ剛ファンがいーっぱい。見逃せないのが、弾き語りで剛の曲を色々やってくれるアコ
ギ兄ちゃんたち。上手いなぁ。
途中、雨で総合体育館の中へ非難し仮眠をとってたけど、ファンの熱意が届いたのか、
夕方には雨も上がった。ふぅ。
屋台も出ていて、お好み焼きを割り箸に巻いて出されたのは違和感があったけど、これ
がなかなかイケる。
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桜島
ライヴ会場 |
ここは約束の地、生涯忘れない |
20:00〜翌6:30 |
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もうホントにこれはスゴかった。ファンだけでなく、興味半分で来た鹿児島の人たちも
感動を持ち帰ってくれたと思いますよ。
どんなライブだったかは、ここには書ききれないんで別なページにでも載せようかなと
考えてます。
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8月22日(日)
徹夜明けの熱気も冷めぬまま、元気一杯に鹿児島巡りに直行。食欲が下がるものの、砂
むし温泉でリラックスモードの一日となった。
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桜島側フェリーのりば8:55
鹿児島駅側フェリーのりば9:10
鹿児島繁華街
喫茶ママ |
ひんやり、鹿児島名物「白熊」 |
11:00〜11:20 |
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これが鹿児島名物、白熊。鹿児島繁華街「天文館」で人気を2分するのが、観光客向け
の「天文館むじゃき」の白熊と、地元客に人気の「喫茶ママ」の白熊。後者は、ひんやりかき
氷にざっくり大きめのメロン、すいか、オレンジを突き刺し、小豆と練乳をた〜っぷり。甘党
にはたまらないけど、激甘で喉がちょっと焼ける。逆に果物の水々しさがアクセントになって
美味しい。
ちなみに、「白熊」という名前の由来は「白熊印の練乳」を使用したからだとか。
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谷山駅12:05
喜入駅12:45
道の駅・喜入13:00
知覧特攻平和会館 |
見ごたえのある資料館 |
13:30〜15:15 |
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ここ知覧から飛び立ち「特攻」という500km/hくらいの速度で飛行機ごと敵に突っ込
んで亡くなった人たちに関する資料館。特攻の直前に書かれた手紙(中には死ぬ直前というの
に冗談を書いた手紙も)や顔写真が飾られ、実物大の飛行機や部品なども飾られている。
驚いたのが、特攻の時に使ったのは大雑把な地図とコンパスだけとのこと。もう緻密さ
もなく追い詰められた日本終戦の姿が伺える。
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知覧武家屋敷通り |
さすが、薩摩の小京都 |
15:20〜15:55 |
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その昔、鹿児島に武士を集中させることなく113の地区に分けて武士を分散させて統
治していた。知覧もその一つで、その名残がこの武家屋敷通りだ。
長くて陽の当たる道は、昔そのものを思わせる。その道に点々と存在する7つの武家屋
敷。玄関から中に入ってみると左写真のような庭園が見える。広さこそないが、緑、岩、砂と
丁寧に手入れされており、自分の家にしたいくらい。庭のある家っていいなぁ。
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池田湖 |
池田湖パラダイス |
16:35〜16:40 |
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知覧からさらに南、指宿にある池田湖。謎の生物(写真?)が目撃されたとして新聞に
掲載され有名になったのだとか。その生き物の名前はネス湖の「ネッシー」ならぬ池田湖の「
イッシー」(笑)。
ここはカルデラ湖で、要は川から水が流れたりしないので、雨で水かさが増えるとなか
なか減らないんだって。
ドライブの途中に立ち寄る場所としてピッタリで、遠くの緑と湖の青がうまく調和して
いて涼しい。
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長崎鼻 |
薩摩半島の南端 |
17:20〜18:00 |
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一年を通して暖かい薩摩半島で育った雄大な植物の間を歩いていくと、「長崎鼻」の記
念碑、そしてその先に広がるのがゴツゴツの岩場と綺麗な海。岩の上を歩いて進んでいくのも
楽しいけど、岩場に座って海から来る波を目で追い、その波が岩にぶつかって波しぶきを起こ
すのをじっと見ているのもなかなかいい(波しぶきにかかりそうになった少年もいて楽しい)
。
ここからは「薩摩富士」と呼ばれる開聞岳が海に浮かぶように見え、夕暮れに染まる山
の曲線は本物の富士山よりも美しい。
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砂むし温泉
砂楽 |
あったかくて汗が出る〜 |
18:30〜20:00 |
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これぞ指宿名物、砂むし温泉!! 受付を済ますと、タオルを持って浴衣だけを着て表
へ出る。浴衣の下は裸なので、「あぁ、あの女性の浴衣の下は…」と妄想が広がりつつ、指示
に従い砂の上に寝て、顔以外の全身に砂をかけてもらった。目安は15分で、10分程度で顔
から汗がダラ〜ッ。
で、浴衣を脱いでシャワーで砂を落とし、内風呂へ入る。そう、全身から出た汗をここ
で流すことでツルツルスベスベの肌が出来上がるってわけだ。いいぞ、これは。
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小牧庵 |
これまた独特の食べ方 |
20:15〜20:45 |
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指宿市の小牧地区に伝わる「小牧そば」。鯖のひぼかし(燻製)でダシをとり、味噌で
味付けした熱い汁で食べる。
で、実際食べてみたんだけど、うーん…。というのも、汁は魚臭く、冷たいそばをつけ
ると中途半端な温度になり、あまりよろしくない。そば自体もパサパサ感があり噛み応えもな
い。港育ちの方は抵抗なく食べられるんだろうけど、都会っ子の自分の口には合わなかった。
ただ、汁に入っていた鯖の身は美味しかったし、セットの大根と竹の子の煮物も良かった。お
しいっ。
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道の駅 川辺やすらぎの郷 22:50〜翌4:05
8月23日(月)
夜も明けないまま、再び指宿方面へ戻り開聞岳を目指す。途中、星が綺麗だったものの
、こんな誰もいない田舎道じゃロマンチックのかけらもない(泣)。
夜が明けた頃、自分が見たのは雲のかかった開聞岳で、登ろうかどうか迷ったが、ここ
まで来たら進むしかないということでハイキングモードで進んだ。
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開聞岳登山口 7:50
開聞岳 |
風の音が響く頂上 |
9:35〜9:45 |
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標高924Mの「薩摩富士」こと開聞岳を1合目の麓から臨むことにし、「桜島ウォー
ター」を引っさげて、いざ出陣。
2合目の分岐点を過ぎると9合目までずっと単調な1本道が続き、汗と露でTシャツが
ビッショリ。そんな格好で辿り着いた頂上では、風の吹く方向が目に見えるほどの霧で涼しく
て気持ち良かった。でも霧で景色を楽しむことはできなかった。
下山途中にようやく霧が晴れ、池田湖を望む好景にお目にかかれた。
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開聞岳登山口 11:15
山川天然砂むし温泉 |
波の音を聴きながら |
12:00〜13:05 |
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昨日に引き続き、美肌を求めて砂に埋もれる(笑)。昨日は男の人に砂をかけてもらっ
たが、今回は女性だ。砂かけババア砂かけさんに砂をかけてもらうと、なんだか昨日
よりも熱い…15分間で浴衣が汗でビッショリ。
砂場も内風呂も狭かったものの、写真を快く撮ってもらえたんでOK。風呂上りの牛乳
も、ちゃんとビンに入ったものを飲めた。プハァ〜ッ♪
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桜島SA |
鹿児島名物、加治木まんじゅう |
15:00〜15:10 |
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鹿児島県民のおやつといえば、これ。お土産屋では袋に包装された「丸に十の字」の島
津家家紋が目印だけど、やっぱり出来たてを食べるのが美味しいんだよね。
肝心の味はというと、…普通のまんじゅう(泣)。いわゆる「あんまん」の味だね。ま
ぁ普通に美味しいので、ドライブ中のおやつにはピッタリ。
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西郷公園 |
偉大なる日本一の人物像 |
15:25〜15:40 |
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鹿児島空港付近をたまたま通っていて見つけた場所。立派な門構えや外廊下に展示して
ある西郷どん資料の数々は、公園というよりは資料館と呼ぶべきかな。
お土産屋の先には腕組みした西郷隆盛が公園を見つめる、その名も「現代を見つめる西
郷隆盛像」だそうで(笑)。この高さ10.5mの像は、人物像では世界一。見ると迫力あるなぁ
、本物の西郷隆盛もこれくらい迫力あったのかなぁ(笑)?
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丸尾の滝 |
乳青色の水の神秘 |
16:15〜17:05 |
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高さ約10mのこの滝はなんと温泉のお湯で冬場は滝から出る湯けむりが幻想的。…と
書かれていたんだけど、実際に滝から流れてきた水に触れてみると冷たい。うーん、本当に湯
けむりなんて見られるんだろうか?
写真を見てわかる通り、乳青色をした水がとっても綺麗で、かすかに香る硫黄のにおい
も悪くない。湯けむり温泉郷で見る涼しげな風景っていいねぇ。
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黒豚の館 |
やわらかいトンカツ |
18:15〜19:00 |
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美味しい薩摩の黒豚が食べた〜い、ってことで肉製品の販売も手がける食事処に訪れた
。せっかくだから色々な味を楽しみたい自分は「三味定食」に即決。ロース、ヒレを食べてみ
ると、衣と肉が同じやわらかさでサクッといただける。自分の舌が悪いのか、味は「おいしい
トンカツ」くらいの感動しかなかった。しかし、ここでも新しい味、しゃぶしゃぶのお肉を揚
げたしゃぶカツがまさに感動の味で、もうジューシーな肉が最高。「トンカツ=乾いた食感」
を完全に打破してくれました。
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さくらさくら温泉 |
泥でスベスベお肌 |
19:40〜21:10 |
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灯りのない道路を懸命に捜してようやく見つけたこの温泉は、「湯と一緒に湧き出る泥
」から発案した『泥パック』が有名だ。硫黄のにおいのする泥を体に塗って10分ほど待ち(
冬だったら寒いだろうなぁ)洗い流すと、もう肌がスベスベ。男湯のみ、入浴しながら泥を落
とすのが禁止で、完全に落としてから入浴するんだけど、気持ちいい〜♪
ちなみに、レストランや宿泊施設もあり、温泉にある泥パックもお土産用に売られてい
る。。
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道の駅 霧島 21:15〜翌7:10
総合評価
あぁ〜あぁ〜、しあわせの〜、とんぼよ〜どこ〜へ〜♪
九州には普通にとんぼが飛んでるんだね、なるほど、こういう場所に住んでいたから名
曲が生まれたわけかぁ。CHAGE&ASKAも九州出身で、サービスエリアや店でも曲が流
れてくる。地元の人達に愛されるアーティストって素敵だよね。
キビナゴといった比較的高級な食事にはありつけなかったものの、桜島大根、鹿児島ラ
ーメン、黒豚のとんかつ、しろくまなど、新しい味ありで満足。鹿児島の牛乳「デーリィ牛乳
」もまた美味しく、独特の後味が残るのがクセになる。
日本の南端ということで暑いのかなぁと思っていたけど東京とあまり変わらず。車の中
で寝苦しいかという予想に反して、ちょうどよい気温で不自由なし。
ホントにいい場所だった。また行きたい…といってもこんな遠い場所、二度と行けない
のかなぁ。惜しいよね。
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