セシモ旅行記 〜目指せ47都道府県踏破〜

国内旅行の旅行記を掲載しています。
管理人多忙のため、今後の更新予定はありません。

  長崎〜7年前の記憶

 さて、昨日から長崎県内へと大幅移動をしたわけですけど、長崎といえば「鎖国」とい う時代背景の中で、ポルトガル、オランダから西洋文化を取り入れたという異国情緒を感じる ことのできる市街地、これが目玉ですよね。
 思えば7年前、修学旅行で長崎に来たんですけど、殆ど記憶が無い…。そこで、行った ことのある場所にも再度足を運んで、昔の記憶に思いを馳せつつ異国文化に触れることにしま した。


 3月17日(金)

 異国文化が目立つ長崎で、意外と忘れられがちなのが「雲仙、島原」エリア。

 悲しいかな、地獄巡りと言えば雲仙ではなく「別府」を思い浮かべる人が殆どで、島原 と言われても「島原の乱」という言葉しか出てこない人が大半でしょう。(自分もそうでした )

 雲仙といって思い出すのは「雲仙普賢岳の噴火」。東京でも一大ニュースとして噴火シ ーンを何度も放送してました。あの噴火からもう15年も経っているんですね。雲仙は今どう なっているのか、気になる土地に足を運んでみることにしました。


 朝9時ちょうどにホテルの入り口で待っていると、ニッポンレンタカーのお姉さんが来 てくれました。営業所での手続きかと思いきや、その場ですべて手続きをしてくれて、なかな か気がきいてました。カーナビの使い方も説明してくれました。

 まずは長崎市街地の中でも遠方にある「シーボルト記念館」に行ってから雲仙、と思っ ていたんですけど、長崎の交通事情を甘くみていました。

 ムダに信号待ちをする、細道の交差点だと左折先が混んでいて曲がれない、かつ直進車 まで入っていこうとする、だから「長崎の人は車間距離をとらない」んですね。雲仙地獄へ行 く前に地獄を見たような気がしました。


雲仙への道  市街地を抜ければスイスイと進めるのが長崎交通事情。

 ファミレスの並ぶ片道1車線道路から、次第に山道へと入っていったと思えば、のどか な田園風景が開けていく…。起伏の激しい道路で、運転していて楽しいですね。

 左写真の遠くに雲仙の山々が見えます。


 ●雲仙温泉 11:25〜13:10

雲仙地獄入口  広々とした青空へと昇っていく白い湯煙。温泉街らしい風景ですね。1年半前に見た霧島( 鹿児島県)を思い出します。

 道路にまで湯煙が立ち上っていますけど、ドライバーにとっては対向車が見えなくて危 ないんじゃないかな。車通りが少ないから大丈夫か…。

のどかな足湯  上の写真の位置から左手に雲仙地獄の入り口があるんですけど、自分は間違えて裏口から入 ってしまったようです。

 裏の入り口へ向かう途中に足湯がありました。温泉街の定番ですね。指を入れてみて湯 加減を確かめてみました。

 温かくって、硫黄の匂いがして…。

宮崎ホテル  雲仙地獄裏入り口から入っていくと、何故か宮崎ホテルの裏庭に。

 その裏庭で、ボコボコと音を立てて沸騰している池がありました。これこそ、まさに「 地獄」と呼ばれる高温の源泉ですね。

 ホテルの裏庭にあると、違和感がありますケド。

気泡立つ  実際にボコボコと気泡が立っているところを写真に撮ってみました。

 灰色というか、乳青色というか、泥の混じった独特の色合いですよね。淀んだカンジが この世の果てというのか何というのか。これを「地獄」って最初に誰が呼んだんでしょうね。 発想が素晴らしいです。

泥の山  ドロの山ができていますケド、これは泥火山(でいかざん)と言います。

 地下の温泉に泥土が混ざり込み、温泉水より泥の量が多くなったときにできる現象だそ うです。通常は煙のように吹き上がるガスが、左写真のように泥土を吹き上げるようになり、 噴気口の周囲に溜まって「噴火する火山」のような形になるんです。勢いはそれほど無かった ですけど。

森の小道  木に囲まれた小道を歩いていきます。

 ドロドロした源泉だけでなく、湯気の立つクリアな源泉も所々に見られます。入れるの かなぁなんて思っていましたけど、温度は約120度。ヤケドするのレベルじゃないですよね 。

 でも、湯気の立ち具合がそれほど無いんですよね。

空一杯の湯気  急に視界が開けてきます。雲仙地獄で一番大きい地獄がここ「邪見地獄(写真手前)」「 大叫喚地獄(写真奥)」です。

 邪見とは、人をねたむ醜い心だそうです。この温泉のお湯を飲むと、夫婦や友達間での 嫉妬心による不和を解消できると伝えられている、と案内板に書いてあります。

 実際は、強酸性の温泉で、とても飲めるようなものじゃないですけどね。

大量の噴気  雲仙地獄の中で、最も標高のある位置から30〜40mもの噴煙を上げている、現在最も活 発な噴気活動をしているのがこの「大叫喚地獄」。

 ゴウゴウという噴気音が「地獄に落ちていく亡者の叫びに聞こえる」というのが名前の 由来だそうです。それなりに距離がありながらも硫黄の匂いがスゴイですね。もちろん、立ち 入り禁止です。

 さらに先を歩いていくと「お糸地獄」といった地獄が見られましたけど、なんと途中の 通路が崩れてしまっていて臨時の通路が作られていました。

 工事現場のオッチャンも大活躍です。

 今この瞬間にも噴気を上げ、岩々を白く染め、ときには通路をも崩す。のどかな風景に 似つかわしくないほど、この雲仙地獄から生命の息吹を感じ取ることができますね。

八万地獄  八万地獄。人が持っている八万四千の煩悩によってなされた悪行の果てに落ちる地獄だと言 われています。

 地獄という言葉は、現世で悪いことをすると死後に苦しみの世界に落ちるという仏教の 説話に基づくもの、だそうです。

 遠くの山々は天国でしょうか。いい風景です。

温泉街  すぐ近くの雲仙温泉街を歩いてみましたが、どの店もお土産を売る気が無くて、店内に誰も いない。何て寂れた温泉街なんだ…。

 一番手前のお土産店だけは活気があって、お土産の種類もなかなか豊富。1個60円の 温泉たまごを食べました。高温で茹でたためか、白身に弾力が半端なくありますね。力強い食 感がたまらなく美味しかったです。熱くてヤケドしました…。


 ●仁田峠 13:35〜13:45

峠の展望  雲仙普賢岳を見るために、雲仙温泉の少し先にある「仁田峠」という場所まで行きました。

 一方通行の有料道路を走り、見晴らしのいいパーキングに駐車。天気が良ければ遠くに 阿蘇山が見えるほど、海側の見晴らしは格別。そして、山側へと視線を移すと、ありました!  荒々しい色をした雲仙普賢岳。うーん、どこから噴火したかわからない…。

 もう一つ先のパーキングにはロープウェイがあって、そこから普賢岳へ登れるようです けど、寄っていく時間がない。

 そう、はっきり言って時間がない。雲仙温泉には他にも「スパハウス」「ビードロ館」 「雲仙焼窯元」「麦酒館」などの見所があるんですけど、残念。


 ●江戸新 14:40〜15:15

具雑煮1050円  雲仙の東側に位置する「島原」までやってきました。

 食事時ということで、島原の郷土料理で有名な「具雑煮」を食べてみました。左写真が その具雑煮なんですけど、見た目からして美味しくなさそう…郷土料理なんてそんなものでし ょう。

 揚げ、伊達巻、かまぼこ、ほうれん草、白菜、ちくわ、しいたけ、という具を薄めなダ シで煮ただけあり、野菜スープ系の味。好き嫌いの多い人は食べられないかな。どの具が美味 しかったかと聞かれたら、間違いなく「もち」と答えてしまいますね。

 でもアナゴが入っていて「意外と美味しかった」です。完食。この店はお寿司屋さんで 、いなり寿司をサービスしてくれました。

 お喋り好きなご主人が「たまたまうちの店に寄った取材の人が、次の日に普賢岳噴火に 巻き込まれて亡くなった(汗)」「地元民は殆ど車を持っていて、島原鉄道を使う人はいない ですよ。そのうち廃線してしまうかも(汗)」と、ぶっちゃけた話をしてくれました。

 他に島原で有名な郷土料理といえば、さつまいも粉と山芋を混ぜた麺で作った蕎麦「六 兵衛」。これまた見た目が微妙ですけど、美味しいらしいです。


 ●鯉の泳ぐまち 15:25〜15:35

水路を泳ぐ鯉  島原城、武家屋敷を見る時間がなかったので「鯉の泳ぐまち」だけ見ていくことにしました 。昔ながらの街並みに水路を整備し、鯉を放ったという、なんと風流な町なのでしょう。

 通りを歩くカップルの写真を。…鯉を撮りにきたのか、恋する二人を撮りにきたのか( 笑)。「この恋がうまくいきますように」って鯉を見にくるカップル、結構いました。

水も綺麗  太陽の光を浴びる水路、そして輝く鯉。華麗に泳ぐ姿は、見る人の心を和やかにしてくれま す。

 地元の人が「子供達に、命の尊さを伝えるため」「昔ながらの街並みに色を添えるため 」「より多くの人が島原を訪れるように」と、色々な願いをこめて放流したのだそうです。

 何気ない晴れた午後、こんなにものびやかな時間。心が洗われるようです。ちなみにこ の鯉、1〜2kgあります。大きい…。


 ●小浜温泉 17:10〜18:25

海沿いの街  来た道を戻り、雲仙の西側にある「小浜町」にやってきました。湯煙をあげる温泉街からは 、水平線の広がる海が見えます。

 すぐそばに橘湾が広がる立地から、長崎ちゃんぽんの中でも特に新鮮な具にこだわり、 海のミネラルが豊富な「小浜ちゃんぽん」が格別に美味しいと評判のようです。

 そして、西側に海を臨む小浜温泉の目玉は「露天風呂から夕日を眺める」という贅沢な もの。

内湯のみ  しかし、防波堤沿いにある露天風呂・茜の湯は「お湯の湧出量が少なくて、今日はやってま せん」だって。

 こうなると苦労するもので、露天のある日帰り温泉が見つからない…。この辺りは宿泊 が前提の旅館が多いようで、ようやく500円で日帰り入浴OKの旅館「福徳屋」を見つけま した。

 なんとか窓から夕日が見えました。お湯が温かいのか、夕日の光が温かいのか、心地よ い入浴タイムでした。

 1時間強で長崎市街へ。なんとかレンタカーの返却時間に間に合いました。


 ●長崎新地中華街 21:00〜21:25

西湖の皿うどん  返却後は、長崎新地中華街にある「西湖」というお店で、長崎皿うどんを食べました。 同じ「長崎ちゃんぽん」「長崎皿うどん」でも、一般の飲食店で食べるのと比べて、中華街で 食べるものはドロドロとした中華寄りの味になるようです。

 白濁したあんかけは、最後の一滴まで味わいたくなる甘い味で、とんこつラーメンのよ うなマッタリ感がたまらないです。麺も、あんかけに浸しても食感が残るよう、一般とは違っ た「ちぢれ細麺」を使用していて、軟らかくなりすぎないのが自分好みでした。店のとなりが 製麺所だというのも頷けます。

 具もまた良くて、本場は断然「イカ」にこだわってますね。エビも美味しいです。カキ が入っていたのは意外でしたケド。

 中華街で単品オーダーってOKなのかなぁって思ってましたけど、店によりけりです。 気がひけるので、餃子も頼みましたけど、ジューシーで大満足の味でした。


 ●ホリデイイン長崎 21:35〜翌9:15

西洋風の部屋  長崎駅から歩いて行ける距離にあるビジネスホテル。昨日に続き、洋風の家具で異国情緒を 出している部屋です。こういうの、大好きです。

 明日は平和公園などを散策します。



 3月18日(土)

 ●長崎県庁 9:40

長崎県庁  出島町、中華街へと歩いている途中、見覚えのある景色に遭遇しました。長崎県庁です。こ こで昔、友人と待ち合わせしたような記憶があります。この付近にはそれほど観光地は無いの ですが、どうしてこんな場所に来たんでしょうか。

 すぐ傍には江戸町商店街という地元向けの商店街の入り口があります。


 ●出島和蘭商館跡 9:45〜9:50

ミニチュア出島  港近くにある出島町は19世紀に貿易拠点として賑わった町で、当時の出島を再現するため の復興計画が進められています。2010年までに25棟の建物を復元するのだそうです。

 現段階ではまだ殆ど建物が無い状態でした。出島を再現したミニチュアがありましたが 、青空の下なので雨が降り注いでいてメンテナンスが大変そうです。


 ●長崎新地中華街 9:55〜10:15

中華街の朱門  再び長崎新地中華街。昨日は夜遅くて閉まっている店もあったので、今日はじっくり見物す ることにしました。

 中国形式の朱塗りの門が出迎えてくれます。ライトアップされた夜だけでなく、昼間に じっくり見るのもいいですね。

 写真は北門で、東西南北それぞれに門が建てられています。

中華街の道  長崎新地中華街は東西の道、南北の道、それぞれ1本ずつ十字にクロスされているだけで規 模的には小さいものです。明治初期に中国貿易の蔵だったのが発展して中華街になったのだそ うです。

 飲食店が多いですが、他にも和菓子屋、製麺所などもあります。お土産屋には長崎土産 に加えてチャイナ帽子といったユニークなものもあります。

角煮まん  長崎に名物の一つでもある「角煮まん」。飲食店で出してくれることもありますが、こうや ってお土産屋さんなどで売られていることもあります。

 普通の中華まんと違って、角煮がドーンと入っているので角煮の食感が楽しめます。な かなか美味しいものですが、確か300円くらいします。ちょっと高いですね。


 ●福砂屋 本店 10:20〜10:25

福砂屋の外観  カステラといえば「福砂屋」の名を挙げる人も多いくらい有名な老舗。ポルトガル人から伝 承された製法を今でも守り続けています。1624年創業という長い歴史を持つお店で、さす がに創業当時の建物ではないとは思いますが、風格のある店構えです。

 老舗とはいえ他店と同じ0.5号700円で販売しています。単純なカステラだけでな くチョコやレーズンを入れたものもあります。


 ●長崎出島ワーフ 11:10〜11:30

長崎出島ワーフ  駅付近の海沿いには駅ビル「アミュプラザ長崎」やショッピングモール「夢彩都」と並んで 、木を基調とした2階建ての「長崎出島ワーフ」があります。

 20店舗ほどがテナントとして入っており、海を見ながらテラスで食事ができる店も多 いです。近くに芝生の公園もあるので地元の人たちにも重宝されているようです。


 ●平和公園 12:00〜12:45

平和公園入口  市電で長崎駅前から松山町(浦上駅付近)まで移動して、原爆地付近を散策することにしま した。

 原爆落下中心地のエリアにある平和公園は、悲しい歴史を二度と繰り返さないようにと いう祈りがこめられた公園です。観光客が沢山いる人気スポットでもあります。

 階段中央にはカラフルに彩られた花が植えられています。

平和の泉  階段を登ると「平和の泉」が目の前に現れます。噴水の形は上空から見ると「かもめ」の形 であり、原爆で亡くなった方が天国へと飛び立つようにと願ってのことだそうです。

 手前の石碑には「水には油が浮いていました。でも喉が渇いていたので飲みました」と いう原爆後の死者の日記をもとにした文章が書かれており、当時の悲惨さが偲ばれます。手前 の綺麗な水を手ですくって石碑にかけてあげるのが観光客の儀式になっています。

平和記念像  噴水の向こう、平和公園の中心奥に位置するのが平和記念像。平和公園の象徴として有名な この像は彫刻家、北村西望の作品。

 天をさしている指は原爆の脅威、水平に伸ばした手は平和、閉じたまぶたは冥福を意味 しているのだそうです。

 平和記念像の左右には千羽鶴が奉納されています。

折鶴  広島の折鶴はガラスに入れてありますが、長崎の折鶴はちゃんと石造りの屋根で大事に守ら れています。広島のに比べると折鶴の数は少ないですが…。

 他にも公園周囲には平和を願ったモニュメントが幾つか設置されています。外国から贈 呈されたモニュメントもあり、変わったデザインのものが多いです。


 ●浦上天主堂 13:00

浦上天主堂  平和公園からも臨むことのできる浦上天主堂。原爆によって全壊したため、昭和34年に再 建されたものが現在の建物です。被爆地から約500mほどの距離があることを考えると爆風 の大きさを改めて思い知ります。

 この浦上天主堂は、キリシタン禁教令が解かれた際に信徒が「祈りの家」として作った ものだそうです。中は写真撮影禁止で、簡単にお祈りだけしてきました。


 ●原爆落下中心碑 13:15〜13:30

原爆落下中心地  平和公園の隣にある原爆落下中心地。碑には死者を偲んで花などが置かれています。

 こちらには観光客が殆ど訪れないようです。広場があり、地元の人が散歩やらキャッチ ボールやらを楽しむ憩いの場になっています。

 階段を登っていくと長崎原爆資料館に辿り着きます。


 ●長崎原爆資料館 13:45〜14:30

柱時計  1945年8月9日、当時の原爆に関する資料や遺品などを展示している資料館。入り口に 置いてあるのが左写真の柱時計。原爆が投下された午前11時2分の状態で止まっているのが 印象的です。

 ビデオルームやQ&Aコーナーもあり、修学旅行と思われる学生の集団がQ&Aのパソ コンで遊んでいました。お土産屋もあります。→ 長崎原爆資料館

倒壊した柱  浦上天主堂の割れたステンドグラスの破片、倒壊した柱など大小様々なものが展示されてい ます。

 来訪者用の感想ノートがあり「原爆の悲惨さがわかりました」といった感想から「この ような遺品を並べることで本当に遺族を偲ぶことになるのでしょうか」という考えさせられる 意見まで色々と書かれていました。


 ●居酒屋かみんぐ 15:40〜16:05

かみんぐのちゃんぽん  浦上駅付近でいい飲食店が見つからなかったので、一旦長崎駅まで戻り五島町で長崎ちゃん ぽんを食べました。

 具材が多くてスープが濃厚でまろやか。東京ではなかなか味わうことのできない美味し い長崎ちゃんぽんでした。

 他にもトルコライスなど長崎の味を楽しむことができ、お昼目当ての客もいるよう です。→ トルコライス マニアックス


 ●坂本国際墓地 16:45〜17:00

坂本国際墓地  再び市電で浦上駅前まで行き、国際墓地へと足を運びました。きつい上り坂の途中にあるこ の墓地には日本人だけでなく外国人も沢山眠っています。

 和製と洋製の墓が混在しているという見慣れない光景が展開されます。木々が生い茂っ ていることもあり、暗くて狭くて息苦しさを感じます。

グラバーの墓  鎖国時代だけでなく居留地時代にも多くの外国人が長崎に訪れたのだそうで、この墓地を終 焉の地として選ぶ外国人も沢山いたのだそうです。

 他にも国際墓地はあり、この坂本国際墓地は比較的新しくできたものです。左写真はグ ラバー園で有名な貿易商グラバー夫妻の墓です。


 ●淵神社 17:25〜17:30

淵神社  JR浦上駅、浦上川を越えて、稲佐山のふもとにあるロープウェイ乗り場「淵神社駅」まで 歩きました。しかし残念なことに雨でロープウェイが運行停止になっていました。

 本来ならこのロープウェイで稲佐岳駅へ行き、稲佐山展望台から長崎市街の夜景を見る というのが定番になっています。とても綺麗な夜景なのだそうです。


 ●めがね橋 18:45

夜のめがね橋  国の重要文化財となっている「めがね橋」。2連アーチの橋が川に映って眼鏡のように見え ることからこの名前がつきました。特に何があるというわけでもないですが、長崎観光の名所 になっています。

 日本最古の石造りのアーチ橋です。昭和57年の長崎大水害で一部崩壊したものの、流 された石を拾い集めて修復されたこともあるそうです。


 ●一二三亭 19:40〜20:20

おじや  長崎の郷土料理が食べられる居酒屋。名物は「おじや」で、米を3度にわたって炊き上げる ことで独特の食感を生み出しているのだそうです。

 甘みが出て美味しいですね。ゴマと青ネギを沢山入れているのも特徴。チキン、定番の 「ふき」を食べながら日本酒熱燗でほろ酔いの夕食でした。

稲佐山を臨む  いいカンジに酔いながらの散歩。五島町から遠く稲佐山のライトアップが見えます。雨に濡 れた大波止通りに光が映りこんで、いい夜景になっています。

 標高333mの稲佐山はツツジの名所でもあり、春になると8万株の花が山肌を彩るの だそうです。また来る機会があれば登りたいですね。


 ●長崎全日空ホテルグラバーヒル 21:20〜翌9:40

全日空ホテル  グラバー園の近くにあるホテル。ANAのパッケージツアーを利用しているので、全日空ホ テルが宿泊地の候補になったわけですが、今までのホテルよりフロントの広さや装飾が違いま す。

 稲佐山への夜景観光バスなども用意されています。もう少し早ければ申し込めたんです けどね。残念です。



 3月19日(日)

 最終日。午後に空港へ向かえば良いので、午前中はグラバー園をゆっくり散策すること にしました。


 ●野口彌太郎記念美術館 10:00〜10:05

門をくぐると  ヨーロッパで絵画を学び、長崎の風景画を数多く残した画家「野口彌太郎」の美術館。

 中には入らなかったんですけど、建物の外観が良かったので庭に入ってみました。

 温かい朝日が庭の緑を綺麗に見せてくれています。レンガ調がまたモダンに見えます。


 ●オランダ坂 10:05〜10:10

オランダさん  「東山手地区」と呼ばれるこのエリアは、特に坂が多くてハァハァ言ってしまいます。 幕末の頃、日本人は西洋人のことを国籍の区別つかずに「オランダ人」と呼んでいたこ とから、この外国人居住地区の坂を「オランダ坂」と命名したのだそうです。

 昔来たときは、ここでお婆ちゃんが4本1000円という破格の値段でカステラを売っ ており、友人が購入していたのを記憶しています。今はいないのかな。


 ●東山手十二番館 10:10〜10:25

東山手十二番館  ロシア領事館として建設され、その後アメリカ領事館やメソジスト派(婦人外国伝道協会) の宣教師の住宅として利用されてきた初期の洋風建築形式を用いた木造洋館です。執務室とし て使ったと思われる3つの大きな居室、3面に付いた幅広いベランダなど堂々とした造りにな っています。

 現在は当時東山手の丘に次々と創設されたミッションスクールの歴史を紹介する旧居留 地私学歴史資料館として利用されています。


東山手地区  民家の裏を歩くようなカンジですけど、道が広くて日当たりが良いので、のびのびとした気 分になれます。「東山手地区」は人も少なく落ち着いて観光ができますね。

 ここから路面電車の線路をまたいだ先が、華やかなグラバー園とそびえ立つ大浦天主堂 で有名な「南山手地区」。東山手地区と対照的に、賑やかさに温かみを感じるエリアです。

南山手地区  南山手地区も坂が多いですが、坂道にお土産屋さんがズラリ。お土産だけでなくアクセサリ ーなども売られており、下町のような雰囲気を出しています。

 この坂を上っていくと大浦天主堂、そしてグラバー園が見えてきます。


 ●大浦天主堂 10:55

大浦天主堂  現存する日本最古の木造ゴシック様式の教会。浦上にある浦上天主堂とは異なり、白いナマ コ壁をあしらった和洋折衷の造りが特徴です。洋風建築として唯一国宝に指定されているのだ とか。

 中には入りませんでしたけど、礼拝堂には100年以上前にフランスで作られたステン ドグラスがあるのだそうです。


 ●グラバー園 11:00〜13:00

グラバー園入口  グラバー園に入ってまず現れるのが長いエスカレーター。グラバー園内も例のごとく坂が多 いのですが、最初にこのエスカレーターで一番上まで行くので疲れずに済みます。

 やはりグラバー園の観光は晴れた日がいいですね。建物の綺麗な色使い、所々に咲く花 、高台から見下ろす海の輝きなど、心地よい風に吹かれながらの観光にピッタリの名所です。

旧三菱第2ドックハウス  まず最初に現れるのが「旧三菱第2ドックハウス」。グラバー園といえばこの建物を思い浮 かべる人も多いですが、この建物は稲佐山のふもとにある三菱重工業長崎造船所第2ドックの 休憩宿泊施設だった建物で、ここに移築したものです。

 もともとこのグラバー園内に建てられていたものは旧グラバー邸、旧リンガー邸、旧オ ルト邸の3つのみで、その他の建物は長崎市内から移築したものだそうです。

長崎港  旧三菱第2ドックハウスの2階からベランダに出ることができます。長崎港、遠くに稲佐山 、三菱重工業長崎造船所が見えます。ベランダからの景色を絶景と讃える人も多いですね。

 手前の池には鯉が泳いでいます。餌をやっている子供もいて、ほのぼのします。

西洋の家具  2階建ての旧三菱第2ドックハウス内には、長崎造船所で造られた船の模型や写真の展示が あります。洋館なだけあり、西洋の家具なども拝見することができます。

 当時の造船の歴史を紹介するVTRも流されています。勉強になり興味深い内容なので 、つい見入ってしまいます。

旧ウォーカー邸  旧ウォーカー邸。ウォーカー商会を設立したロバート・ネール・ウォーカーJr.の旧邸で す。中には4つの部屋があります。もとは大浦天主堂の隣に建てられていたものです。

 この付近で貸し衣装をやっているようで、西洋の衣装をまとった女性観光客が歩いてい ました。ちなみに、旧オルト邸宅、旧スチイル記念学校を除き、車椅子で移動できるようにバ リアフリー対策がとられています。

旧オルト邸  旧オルト邸。オルト商会を設立し、製茶業を営んでいたウィリアム・オルトの旧邸です。裏 手には厨房や貯蔵庫、使用人の住まいなどがあります。

 右手には椅子、テーブルがあります。旅行の荷物を持ち続けての散策は疲れるもので、 休憩用の椅子があるのは嬉しいところです。パンフレットを見ながらのんびり。

旧リンガー邸  写真右手が旧リンガー邸。旧オルト邸の隣にあります。グラバー商会に勤め、ホーム・リン ガー商会を設立したフレデリック・リンガーの旧邸です。

 写真正面奥には椅子、テーブルがあります。地元っぽい人がくつろいでいました。長崎 市民は無料で入場できるので、公園感覚で訪れる人も多いようです。(2007年10月より 市民も通常料金が必要になりました)

旧グラバー邸  旧グラバー邸。貿易商であり、グラバー商会を設立したトーマス・ブレーク・グラバーが住 んでいた日本最古の木造洋風建築です。

 この建物が観光客に一番人気で、手前の花も含めて写真を撮る人が沢山いました。日当 たりも良くて建物の外観もなかなかのものです。

昔の西洋料理  旧グラバー邸の中には「150年前の西洋料理」なんてものが展示されていました。そんな 昔からいいモノ食べていたんですね。

 他にもキリンビールのラベルになったこま犬などが展示されています。→ 長崎南山手物語 | グラバー園の不思議


 ●四海楼 13:20〜14:35

四海楼のちゃんぽん  長崎ちゃんぽん発祥の店。1899年に中国福建省からやってきた方がこの店の初代店長で 、中国人留学生のために安価で栄養のあるものとして考案されたのが由来です。

 グラバー園観光客の大半がこの店に寄るというだけあり、1時間待ち…。ようやくあり ついた長崎ちゃんぽんは、濃厚で具の旨みの出た美味しいものでした。錦糸卵が色鮮やかに乗 っているのが特徴です。


 ●諏訪神社 15:25〜15:45

諏訪神社  時間が余ったので路面電車で諏訪神社という場所まで行ってみました。来てみてようやく思 い出しました、昔ここで待ち合わせした場所だ…なつかしい。

 境内は広くて、鳥居、こま犬などがあるのでじっくり散策するのもいいですね。長崎三 大祭りの一つ「長崎くんち」はこの神社の神様へ捧げられるものだそうです。


 ●長崎空港 18:00〜19:10

 長崎駅から出るバスで長崎空港へ。
 結構な距離があり、途中で高速道路を使うのです。

 ANAお土産無料券があったので、長崎空港の売店で使いました。

 ●羽田空港 20:40〜21:20

 羽田に到着。
 多摩センター行きのバスを使って、今回の旅も無事に終わりました。


 長崎のおみやげ

びわゼリー  長崎市から南の位置にある「茂木」の名産といえば「びわ」。特に、この「びわゼリー 」は長崎を代表する果物銘菓と言えます。
 松翁軒のびわゼリーを食べました。柔らかいびわが1つ、周りのゼリーもびわに感化さ れた甘い果実実がしました。何となく中華風デザートを思わせる味です。→ 松翁軒
 製造元によって「びわ」の個数は様々ですけど、値段としては大体1つ200円くらい で、高価なデザートですね。

びわシフォンケーキ  銘菓「びわシフォンケーキ」。ふんわりしたシフォンの生地に挟まれたびわジャム。空 けた瞬間、生地とジャムそれぞれの香りが立ち昇り、食欲をそそります。たまらないです。
 はみ出しかけのジャムを舐めると、なかなか濃厚かつ芳醇なのがよくわかります。シフ ォン生地も負けじと濃厚で、食べ応えのある「こってり」なお菓子です。これで20個100 0円、コストパフォーマンス高いですね。お土産にオススメです!!

ザボンカステラ  ポルトガル人により長崎に伝えられたといわれる「カステラ」。大きさは0.5号、1 号といった呼び方をして、左写真は0.5号です。奥行きの長さは同じなんですけど、幅が1 号の半分です。
 ながさき製菓の「ざぼんカステラ」。柑橘系の果物「ざぼん」味のカステラで、一般の カステラの味と「ざぼん」の風味がマッチしていて美味しいです。あと、底についている砂糖 粒を「ザラメ」と言うんですけど、ザラメ有りがたまらないです。

オランダケーキ  先述のように、長崎で売られているカステラはイチゴ味、チョコレート味、抹茶味と、 バリエーションに富んでいますね。最近はオランダケーキという商品が人気で、香り高い良質 のココアを含めたカステラ生地に、胡桃(くるみ)、レーズンを入れたものです。
 写真はカステラの老舗「福砂屋」のオランダケーキです。840円と少々値段が張りま すが、いい味を出しています。

長崎銘菓クルス  長崎銘菓「クルス」…って初めて聞いたけど、うちの母親に好評でした。
 信州の「雷鳥の里」を思い出させる焼き菓子で、クッキー生地からほとばしる焼き風味 が絶妙です。ホワイトチョコレートが入っているけど全然甘くない、ジンジャー(生姜)が入 っているけど全然苦くない。そのバランスは一般のお土産では成し得ない味です。
 小浜町生産のお土産で、8枚入り300円。→ 楽天市場

レトルトちゃんぽん  長崎和泉屋の「長崎自慢ちゃんぽん」具材レトルト付き。竹の子、人参、玉ねぎ、ちく わ、エビ、イカ、キクラゲ等が入ってるけど、白菜が無いのでボリュームは少なめに感じます 。
 スープは本場らしく、こってり加減が喉に来ます。美味しいといえば美味しいんですけ ど、やはりレトルトの域を超えていなくて、本場の店で食べないとあの美味しさは堪能できま せんね。

レトルト皿うどん  同じく長崎和泉屋の「長崎自慢皿うどん」具材レトルト付き。緑色系の食材は入ってい なくて「秋色」なカンジです。(キャベツ等はご家庭で用意、だって)
 本場のように白濁まではいかないんですけど、ドロドロとしてますね。味はなかなか良 くて、竹の子の味が強調されています。1食500円。やはり皿うどんも現地で食べて欲しい です。



 今回のレンタカー

前方から  今回はフィットを予約してたんですけど、前日のお客が延長したらしく急遽マーチに。 旧型に負けず劣らず大人気の現行02年モデル。外見と内装のイメージを統一していて、安っ ぽさを逆に良く見せている「未来感のあるかわいらしい」車です。→ Yahoo! Autos

 排気量は1L、1.2L、1.4Lの三種類が販売されており、自分が乗ったのはおそ らく「1.4L」の4速ATでした。

後方から  下りで110kmくらい出せて追い越しが難なくでき、パワーのなさそうなイメージは一 気に払拭されました。違和感があったのは「登りのヘアピンの立ち上がりで加速がもたつく」 時くらいで、乗り心地といいハンドリングといい、山道を走っていて性能の良さを実感できま した。

 ブレーキは軽く踏んでも効きが強すぎるので、反応の遅いドライバーや踏みが弱い女性 向きですけど、ブレーキの加減をよく使う人には強弱のありすぎるところが鼻につきそうで す。

インパネ  前輪と後輪の幅の関係か、バックするときの感覚が全然違うので、駐車場でのパーキン グには苦労しました。「あっこれじゃ線はみ出ちゃう」って(笑)。慣れの問題でしょうか?

 燃費の良さや室内の使いやすさなど、人気なのも納得できる車です。




 西洋文化の薫る町、長崎。その異国情緒を思う存分楽しんでくることができました。
 最後にグラバー園でのんびり過ごせたのが良かったです。

 雲仙エリアもいい場所でしたが、行けなかった場所が沢山あったのが惜しいです。
 そういえば庄屋というファミレスがあったのが気になりました。