セシモ旅行記 〜目指せ47都道府県踏破〜

国内旅行の旅行記を掲載しています。
管理人多忙のため、今後の更新予定はありません。

  新潟〜酒と肴の中越と花火大会

 今回は地味に新潟旅行です。花火大会に行きたくてネットで検索してみたところ新潟県 小千谷(おじや)市の花火大会がヒットしたので、そこをメインにした旅行を組み立てました 。
 新潟で特に大きな観光地というと佐渡くらいしか思い浮かびませんが、ここはひとつ全 体的に巡ってみることにしました。


 8月22日(金)

 6時半に寮を出発し、2時間半ほどで新潟県の湯沢に到着して観光開始としました。圏 央道のあきる野ICから乗り込みました。通行料金は計5,200円で、ルートは以下の通り です。

 自宅(寮)
   ↓ 国道16号等  ↓車で17km
 あきる野IC
   ↓ 圏央道     ↓車で31km
 鶴ケ島JCT
   ↓ 関越自動車道  ↓車で140km
 湯沢IC


 ●越後湯沢駅 9:00〜9:45  ↓車で1km

越後湯沢駅ロータリー  スキーでおなじみの湯沢。民宿、温泉街の一角にある、日当たりの良い越後湯沢駅に到着。

 ロータリーに人待ち用の駐車スペースがあったので利用しました。駅の外にはリフト券 売り場があり、広い駅構内には駅弁やお土産売り場が幾つかあります。

ぽんしゅ館  駅構内の奥にCoCoLo湯沢という複合施設があります。飲食店2軒、温泉、新潟の日本 酒が集う「ぽんしゅ館」コーナー、お土産屋2軒が、戸などを隔てずに集結しています。

 中央にはお酒で酔いつぶれたサラリーマンの人形が置かれています。

とろろかっぺ飯  CoCoLo湯沢の中にある「うおぬま食堂・雪ん洞」で朝食。ここの店の名物はコシヒカ リで作った大きなおにぎりなんですが、ちょっと気になった「とろろかっぺ飯」500円を食 べてみることにしました。

 生卵を含んだ水っぽいトロロにきざみ海苔を乗せたご飯。コシヒカリのご飯は米粒が大 きくて、トロロは冷たくて甘みがあって美味しいです。新潟の人が畑仕事に精を出すために食 べる朝食で、いわゆる郷土料理の一つなのだとか。

 さて、ここからは湯沢の西にある秘境・秋山郷を観光します。
 国道353号を西へ走り、津南から国道405号を南下していきます。


 ●見倉橋 10:50〜11:05  ↓車で44km

秋山郷の見倉橋  国道405号も次第に道が狭くなり、秋山郷のエリアへと入っていきます。まずは秋山郷内 の北側にある見倉橋に寄ってみました。

 信濃川から分岐する小さな「中津川」の上に掛かる吊り橋です。この見倉橋は映画「ゆ れる」で使用されたのだとか。確かに渡ると揺れますが全然怖くないです。何のことはない平 凡な吊り橋ですが、左右の吊り縄が低いので景色を楽しめます。


 ●切明温泉 11:40〜12:15  ↓車で19km

切明温泉  県境を経て長野県に入り、秋山郷の南にある切明温泉で一休み。キャンプ場のような雰囲気 で、のんびりと時間が過ぎていく感じがします。

 切明リバーサイドハウスなどの宿泊施設や日帰り温泉があるのですが、そこから川沿い に歩いて下っていくと温泉が沸いた河原があります。

切明温泉の河原  すでに地元の人がスコップなどで河原を掘って入浴場所を作っており、水着着用で入ってい る人が数人いました。

 中津川の流れを見ながら足湯程度に楽しむことにしました。岩場から沸いているので 熱い場所がありますが、うまい具合に冷たい川の水が入ってくるように作ってくれているため 掻き回すと適温になります。


 ●秋山郷総合センター・とねんぼ 12:35〜12:45 ↓車で10km

秋山郷・とねんぼ  郵便局に併設されている展示施設で、民俗資料館と観光案内所として入館無料で開放してい ます。展示民家で少しだけ横に寝そべって、山道の運転の疲れをいやしました。

 秋山郷の古くから伝わる暮らしぶりがわかる資料館。「とねんぼ」というのは「物や人 が融合して一つにまとまる」という秋山郷の方言で、厳しい自然の中で人々が助け合って暮ら したことに由来して名づけたのだそうです。


 ●秋山郷保存民家 12:50〜13:10  ↓徒歩すぐ

秋山郷保存民家  とねんぼの近くには、実際に昔使われていた民家が保存・公開されています。築年数200 年の「福原家」です。

 特徴としては「中門造り」という雪国ならではの造りなのだそうです。中に入ることが でき、田舎の匂いがする家の中、生活の用具を見ることができます。


 ●蛇淵の滝 13:15〜13:20  ↓車で3km

蛇淵の滝付近  とねんぼより少し北にある売店で休憩。木で作ったテーブルや家具が数万円 、数十万円で売られています。木工品以外の名産で目立ったものは無いようです。

 見に行かなかったのですが、付近に蛇淵の滝という名勝があります。秋山郷はちょっと 見所に欠けるような気がします。


 ●竜ヶ窪の池 14:05〜14:20  ↓車で24km

竜ヶ窪の池  北上して津南町にある竜ヶ窪の池に寄りました。池は手前の林が邪魔だったので撮影せず、 水路だけ写真に収めました。木に覆われているのでエメラルドグリーンの色が綺麗です。

 大量の地下水の湧出によって、一日で池の水が入れ替わるとも言われています。全国 名水百選に選ばれた水です。

 今年はもう終了してしまいましたが、津南町はひまわり畑も観光地になっています。


 ●道の駅・クロス10十日町 15:15〜20:00  ↓車で31km

十日町の名酒・松乃井  さらに北上し、十日町駅の近くにある道の駅に到着。もともと存在したクロス10という地 域交流館を道の駅化したようです。新潟県の日本酒をはじめとした特産品が並ぶ売店、喫茶コ ーナーがあります。

 売店の一角に、十日町を代表する名酒「松乃井」の紹介コーナーがありました。後で飲 んでみるか。

越後妻有交流館キナーレ  道の駅の隣には「越後妻有交流館キナーレ」という芸術館があります。着物の展示販売など を見つつ散策。温泉施設なんかもあります。

 建築家が設計した建物だそうで、1階には回廊の中心に池が配置されていて子供が泳い でいました。風通しがいいので、ついベンチで寝てしまいました。


 ●十日町商店街 20:05〜20:30  ↓徒歩

十日町商店街  道の駅から少し歩くと十日町のアーケード街があります。左右に屋根付きの歩道があるとい う作りは、隣県の群馬と似た文化だと言えます。

 この時間帯は飲食店以外は閉まっています。一人でも入りやすそうな居酒屋を探して歩 き、地元産品消費のお店と書かれている「勝坊」というお店に入ることにしました。


 ●勝坊 20:30〜23:00  ↓徒歩

勝坊で松乃井を呑む  カウンター席と奥に座敷のある居酒屋。カウンターは一つの畳式の椅子になっているので足 を崩して座れます。店主は親切ながらも調理に忙しくてお喋りは楽しめませんでしたが、ちょ うど北京オリンピックを放送していたのでカウンター客みんなでテレビを見ながらまったりと していました。

 お通しはアツアツの揚げ出し豆腐で、海苔などが入っていて酒に合う旨いものです。

かんぱちの柚香焼  日本酒は先ほど紹介した清酒・松乃井(1合480円)で、フルーティな味わいを持った飲 みやすいものです。

 左写真は「かんぱちの柚香焼」。日本海ならではの魚で、ブリに近い食感と味が特徴で す。辛めのタレで漬けてから焼いており、身が美味しくて皮もパリッと焼きあがっています。

 枝豆の入ったチーズが洒落ていて、これも美味しいです。

タコとホタテのガーリック焼き  ここの料理はメチャクチャ旨くて、どこかで修行したであろう店主の創作料理は見事なもの です。

 たこ焼き用の器で出てきた、これもアツアツの「タコとホタテのガーリック焼き」。上 に軽く焦げ目のついた柔らかいホタテがあり、そして下には対照的に硬い食感のタコがありま す。ガーリックの味付けで酒の肴にピッタリな強めの味です。

コシヒカリのおにぎり  締めは新潟産コシヒカリで握ったおにぎりです。具は明太子と鮭。米粒が大きく甘みのある ご飯がいいですね。

 日本酒も二杯目に来て、松乃井の吟醸生(1合680円)をクイッと飲みました。もと もとのフルーティさを活かしつつキレのある締まった味わいです。

 オリンピックの陸上を楽しみつつ、新潟一日目の夜は更けていきます。


 ●道の駅・クロス10十日町 23:15〜翌7:10  ↓徒歩

 車を止めている道の駅に戻り、再び寝ることにしました。


 8月23日(土)

 新潟二日目は、待ちに待った花火大会です。
 午前中は観光をして、午後には会場近くに駐車して散策することにしました。


 ●セブンイレブン堀之内町 7:50〜8:00  ↓車で24km

新潟県産のおにぎり  十日町から北東へと走り、関越道の通る堀之内町のコンビニで朝食を購入。

 新潟県産コシヒカリを使用した「新潟県産大根菜と鮭のおにぎり」と「焼おにぎり神楽 南蛮味噌」という地域限定商品が売られていたので食べてみました。軽く苦味のある大根菜と 塩気のある鮭がいい味を出しています。


 ●佐藤家(越後須原) 8:35〜9:35  ↓車で24km

須原町・佐藤家  さらに北東へと走り、須原町にある保存民家「佐藤家」に到着。民家の外には稲が育ってい て稲穂が出来ています。

 無料開放の民家で最初は誰もいなかったのですが、すぐにボランティアの説明員が入っ てきて説明をしてくれました。どうやらここの民家の持ち主だったようで、今は民家自体は市 の持ち物になっているものの当時の暮らしを事細かに説明できる数少ない年配者なのだそうで す。

佐藤家の中  民家の中では囲炉裏に火をつけて鍋を沸騰させており、煙の香りなどで雰囲気が出ています 。

 元文3年(1738年)に建てられたこの佐藤家は新潟でも二番目に古い民家で す。昨日の秋山郷の民家と同じく、新潟や秋田に多く分布する「中門造り」で、岩手に多い「 曲り家」とは異なった形式の家です。豪雪に耐えられるよう柱を太くして差し物を入れており 、あの中越沖地震にもビクともしなかったのだそうです。

火をつける道具  マッチの役割を持つ木片。カンナで削った削り節を束にして先端に硫黄を塗ったもので、擦 ると火がつく仕組みです。当時は来客にお土産をもらったときのお礼として、これを渡して いたのだそうです。

 他には餅つき用具、馬につなぐソリ、農耕用具などが壁周辺に沢山置かれています。当 時の通行手形などの古文書も壁に貼られています。


 ●目黒邸 9:40〜9:45  ↓車で1km

目黒邸  先ほどの「佐藤家」は観光雑誌に載っておらず、こちらの「目黒邸」のほうが有名なようで す。見学有料だったので、外側から写真を撮るだけにしておきました。庭園や茶室もある豪華 屋敷です。

 この場所や先ほどの堀之内町などは市町村合併により「魚沼市」となっています。新潟 の中でも一番美味しいと言われているのが魚沼産コシヒカリなのは有名ですね。


 ●越後ゆきくら館 9:50〜10:30  ↓車で1km

越後ゆきくら館  約300年前から続く玉川酒造の見学施設。古くは「目黒邸」で酒造りをしていたという歴 史深い酒蔵です。売店では雪蔵熟成の日本酒「ゆきくら」、度数40を超えるウイスキー感覚 のお酒「さむらい」をはじめとしたお酒、漬物などが売られています。

 お店の外には湧き水があります。そしてこの酒蔵の特徴は天然の雪で低温貯蔵を実現 した雪蔵で、今の時期でも雪が溶けずに残っています。

雪蔵の中  その雪蔵の中に入ることができます。とてつもなく寒くて、すぐに外へ出てしまいました が。

 約5mほどの雪の下に埋もれている地下倉庫として、低温保存、熟成を行っています。 一般的にフレッシュさを売りにする日本酒で熟成を行うのは珍しいもので、古いものは希少価 値から1万円を超える高値がついています。

酒蔵見学  酒蔵見学はそれほど見所が無く1〜2分で終わってしまいました。特徴としては、日本酒造 りの工程で発生する蒸気を逃がすために、屋根に大きい通気口があることです。日本酒は10 月〜翌3月の期間に作るのですが、その通気口から雪が入ってくるのだそうです。

 ちなみに、中越沖地震でも建物は立派に残ったとのこと。古い建物のほうが実は強度が あるようで、新しく補強した材質のほうが歪んだそうです。

 さて、再び堀之内町を経て国道17号を北西へと走り、小千谷(おぢや)市に入ってい きます。


 ●わたや平沢店 11:15〜11:55  ↓車で34km

わたや平沢店のへぎそば  小千谷にある、新潟名物「へぎそば」のお店に入りました。和風のファミレスのような店内 です。

 へぎそばというのは「布海苔」をつなぎに使った蕎麦なんですが、布海苔の味がそれほ どせず外側がツルツルしすぎていて食感も微妙でした。1人前680円。

 天ぷらのセットにしたんですが、ナスの天ぷらに苦味があるなど特徴があります。63 0円はちょっと高すぎかも。


 ●ジャスコ小千谷店 12:00〜15:15  ↓車で0km

 ここで駐車して、一眠りした後にお祭り会場へと向かうことにしました。
 駅までの送迎をするなど、お祭り客の駐車を黙認している様子です。
 屋台も出ており、アイスや飲み物を買って出発です。


 ●山本山大橋(花火大会会場) 15:25〜15:30 ↓徒歩

山本山大橋からの河川敷  駅に向かって10分ほど歩くと、途中に花火大会の会場となる山本山大橋に差し掛かります 。

 河原には有料席と無料席が分かれていましたが、地元客の話ではわざわざ有料席にする 必要は無いとのこと。ブルーシートで席が確保されていますが、まだまだ余裕があります。他 の土地からの来客が殆どなく、地元の人が中心の花火大会になっているようです。


 ●小千谷駅 15:40〜15:45  ↓徒歩

小千谷駅前商店街  山本山大橋から駅までは、左右の歩道に屋根のある商店街となっています。花火大会だけで なく「おぢや祭り」としてお祭りが開かれているはずなんですが、この付近には何故か屋台が 全く出ていません。

 なんとトラックに大きい「おしりかじり虫」が!…これはからくり万灯と呼ばれる、お ぢや祭りの名物です。版権など、ちゃんと取っているのでしょうか。


 ●山本山大橋(花火大会会場) 15:55〜21:40  ↓徒歩

地元商店の焼きそば  花火大会会場にも屋台は出ておらず、地元商店2軒くらいが焼きそば等を作っているだけで す。

 焼きそば300円、ソースが市販の粉というのが微妙でしたが、具を入れるとそれなり に美味しく感じます。風に吹かれながら食べる屋台の味というのもいいものです。

からくり万灯1  わざわざ、この時間から場所取りをしなくてもいい気がします。途中で雨がパラパラ降って くるなど不安を持ちつつ河原の段差でのんびりしていました。

 18時くらいになると、からくり万灯のトラックが列を並べて山本山大橋の上を通る光 景が見れます。キャラクターが乗っているものと、20人くらいの人が太鼓などを叩くものの 二種類が交互に列を作っています。

からくり万灯2  19時15分くらい。からくり万灯の行列が夏の夜を彩ります。信濃川に映る光がまた乙な ものです。

 さて、19時30分から花火大会が開始されます。会場の石段などは人で埋め尽くされ ているものの、まだ少し余裕があります。ゆったりと楽しめるのがマイナーな花火大会の利点 ですね。

おぢや花火大会1  地元の個人や団体などがそれぞれお金を出して打ち上げる形式で、エントリー数は100を 超えていました。スピーカーから団体名が放送されて打ち上げられる、という繰り返しなので 前半、中盤は盛り上がりに欠けます。

 たまに複数発の打ち上げで歓声、拍手が出ますが、それにしても単発の10号玉が多く 打ち上げられていましたね。山に囲まれているので雷のような音がこだまして心臓に響きます。

おぢや花火大会2  花火は信濃川の対岸から打ち上げられるのですが、後半には600mほどある川沿いの5箇 所から一斉に打ち上げる10号玉がこのおぢや花火大会の名物です。

 この場面になるとアナウンスにも気合が入り、息を呑む中で5箇所から小さい花火が飛 び散ります。

おぢや花火大会3  そして次第に大きな花火が打ちあがり、最後に10号玉が5つ同時に打ちあがります。

 さすがにこれは圧巻ですね。写真に収まりきらない規模の大きさに感動です。1回だけ でなく3回ほどこの同時5発が楽しめます。

おぢや花火大会4  おぢや花火大会のもう一つの名物がこの「ナイアガラの滝」です。ロープでつながっている 花火の端から火をつけて、ロープ全体から花火が垂れ下がるように発火していきます。最初は 緑色の炎が出て、次第に赤い光を放っていきます。山火事のような迫力があり、湖面に映る炎 も綺麗な色をしています。

 最後にはナイアガラの滝から魚が浮き出てくるという仕掛けもあります。これは見に来 て正解でした。


 ●本町2丁目商店街 21:45〜22:25  ↓徒歩

小千谷本町商店街  花火大会も終わってみんな駅へ向かうのかと思いきや、逆方向の商店街へと歩いていくので ついていってみることに。

 人混みの中でパフォーマンスをする男性がいました。火のついた玉のようなものを飲み 込むという一見危険そうな行為を、平気で何度もやっていました。

 そしてこの先には、からくり万灯が何十台もズラリと…。

からくり万灯3  左右2列に並んだからくり万灯に沿って人の流れができていたので、流れに沿ってすべての からくり万灯を見ることにしました。

 マリオ、アンパンマン、たまごっち、おしりかじり虫、機関車やえもん、チョッパー、 ケロロ軍曹、おだてブタ、ドラえもん、などなどアニメ系キャラが勢揃いです。ライトで光っ ており、首や胴が動くようになっているという優れモノです。

からくり万灯4  途中で「こんな所に屋台があったのか!」と気付きつつ、行列の先頭まで歩いてきました。

 祭りも終焉を迎え、からくり万灯がそれぞれの町内へと去っていく姿を見送り、もと来 た道を戻ることにしました。

 屋台は行列ができていたので諦めました。→ おぢやまつり


 ●ジャスコ小千谷店 22:35〜22:45  ↓徒歩

 お腹がすいたまま駐車場へと戻りました。
 この時間に営業している店も少なく、新潟駅まで行くことにしました。


 ●壱勢(新潟駅前) 0:55〜2:10  ↓車で86km

壱勢・手作りつくね  関越道は渋滞してそうだったので、国道17号で長岡バイパス、国道8号に合流、燕三条を 経て新潟駅に到着。

 深夜2時まで営業している居酒屋で遅い夕食。日本海で採れる魚を中心に多彩な食材を 炉辺焼きで食べさせてくれるお店です。「手作りつくね」は中まで火が通っていてアツアツな のを口の中でさましながら食べます。とろけるような柔らかさを持ったつくねです。タレの味 がまたいいんです。

かんぱち塩焼き  広い店内で、カウンター客には巨大なしゃもじで料理をカウンター越しに手元へ持ってきて くれます。

 大きな頭と身の「かんぱち」塩焼き、これはお腹一杯になります。脂が乗っていて目や 口の付近の身まで楽しめます。

 締めはコシヒカリの鮭おにぎり。大きくてふかふかの美味しさ。たくあんは隣県秋田の 名物「いぶりがっこ」が出てきて大満足でした。これで計1,588円とお得感あり。


 ●道の駅・豊栄 翌2:35〜翌6:15  ↓車で17km

 先ほどの居酒屋ではお酒無しで応じてくれたので、再び運転。

 新潟駅より少し南には、日本海の海岸と並行して日本海東北自動車道があるんです
 が、さらに並行して新潟バイパス(国道7号)があるという、交通の整い方が半端
 ないのです。俗に田中角栄のおかげと言われており、新潟県の人からは評判がいい
 のだそうです。

 高速道路のような新潟バイパスの途中にあるサービスエリア風の道の駅で寝ること
 にしました。


 8月24日(日)

 新潟県は3つのエリアに分かれているのですが、北側が「下越」、中心が「中越」、南 側が「上越」と、上下が逆に名づけられています。

 新潟巡り3日目は「下越」エリアを回ることにしました。


 ●村杉共同露天風呂(五頭温泉郷) 7:00〜7:50  ↓車で29km

村杉温泉  新潟市の東、五頭山のふもとは温泉が豊富に湧くエリア。その中でも朝早くから営業してい る村杉温泉に立ち寄りました。内湯の「薬師の湯」には寄らず、露天風呂のみ利用。

 大きな杉の木の下に、五頭山の岩を配置した湯船の露天風呂です。透明なお湯は適温で 長湯できるのが嬉しいところ。木々に囲まれていながらも開放感のあるオススメの露天風呂で す。


 ●阿賀野川ライン舟下り 8:40〜9:40  ↓車で26km

阿賀野川ライン舟下り1  福島県から新潟を経て日本海に流れる阿賀野川の舟下りを楽しむため、乗船所に車を止めて チケットを購入。2,500円も取られたんですが、どうやらもっと西にある1,000円で 乗れる奥阿賀遊覧船とは違うもののようです。まぁいいか。

 雨の降る中での遊覧となってしまいましたが、年配の団体と一緒なので賑やかになりそ うです。左右それぞれに二人掛けの席が並んでいて50人くらい乗れる

阿賀野川ライン舟下り2  女の船頭さんが窓をくぐって登場。とにかくこの東北訛りの船頭さんの話が面白くて、みん な笑いながらのライン舟下りとなります。途中にはお煎餅を配ってくれたり阿賀野川の民謡を 歌ったりと40分間絶えることなく喋り尽くしてくれます。

 四季折々の話もしてくれます。桜の時期や紅葉の時期が特に人気のようですが、冬の雪 見遊覧も楽しいのだそうです。

阿賀野川1  乗り場から西へ13kmの工程を、女の船頭さんのガイドとともに楽しみます。感覚的には 直線に進んでいるような気がするのですが、蛇行している阿賀野川を下っているので山を半周 したりと景色が二転三転します。

 阿賀野川付近にはJR磐越西線、国道49号、磐越自動車道が通っているので、橋を7 つほどくぐります。船底が平らなため揺れは少なくて、酔う心配はなさそうです。

阿賀野川2  国道49号のシェルターが見えます。他にも鳥の姿、釣り人の姿、地元の人が仕掛けたカニ 取り用ペットボトル、濁流や逆流、岩、研磨剤に利用される植物など、見所はそれなりにあり ます。窓があるので雨の日は写真撮影に苦労します。

 阿賀野川付近にある縄文杉より大きいと言われる将軍杉の話や、古いお寺の屋根がかす かに見えるのを紹介してくれたりと船上から山を見上げるのも楽しいものです。


 ●道の駅・阿賀の里 9:40〜10:30  ↓舟で13km

阿賀の里  舟の終点が道の駅になっており、ここから送迎バスで乗船所まで戻ることができます。送迎 バスが10時30分発車なのでそれまで売店をウロウロしながら過ごすことになります。

 2階が文化資料館となっているのですが、資料館と言いながら特に展示などが無いよう なので時間潰しにならないのが残念です。

燕三条の鉄製品  お土産屋には、先ほど船頭さんが配ってくれたお煎餅もありました。お菓子類だけでなく日 本酒、乳製品(安田牧場)、軽食コーナーでソフトクリームを食べることもできます。魚市場 も併設されています。

 左写真は燕、三条の名産品である鉄製品。スプーンやら包丁やらのシェアを握っている のは新潟なのです。


 ●阿賀野川ライン舟下り(乗船所) 10:45  ↓送迎バスで13km

 駐車場所まで送迎バスで戻り、再び五頭温泉郷へと戻り昼食です。
 舟下りで見た景色を、車窓から再び見ることができるというのも楽しいです。


 ●釜飯・小清水 11:15〜12:05  ↓車で26km

小清水の釜飯  五頭温泉郷の名物といえば、山、川、海に恵まれた五頭山のふもとで採れた食材を使った釜 飯です。

 五目釜めし1,050円。味噌の味付けをしたご飯の上には鮭、ホタテ、エビ、鶏肉、 山菜が入っていて味覚が詰まっています。特別うまいというわけではないですが、それぞれの 食材がいい味を出しています。具材の旨みが染み込んだご飯が美味しいです。


 ●月岡温泉街 12:30〜12:45  ↓車で14km

月岡温泉街  五頭温泉郷より少し北にある温泉街。日帰り入浴も一軒ありますが、殆ど宿泊者向けのお宿 です。規模は小さく、小さなメインストリート沿いに宿やお土産屋が立ち並んでいます。

 月岡温泉街の名物である温泉まんじゅう「月岡まんじゅう」を売っている店が数軒あり 、蒸気が店内からメインストリートに噴出している光景が目につきます。

月岡まんじゅう  元祖月岡まんじゅう店で「こしあん」と「黄身あん」を一つずつ購入。確かそれぞれ1個8 0円くらいです。

 オーソドックスな「こしあん」もなかなか美味しいですが、黄身の甘さがいい具合に出 ている「黄身あん」が好きです。

 ここからさらに北上して、新発田(しばた)を経由して村上を目指します。


 ●道の駅・神林 13:40〜16:00  ↓車で40km

 眠くなってきたので、途中にある道の駅で仮眠をとることに。
 疲れが出ていたこともあり、ぐっすりと寝てしまいました。


 ●村上駅 16:40  ↓車で12km

村上駅ロータリー  日本海に注ぐ三面川に鮭が遡上する鮭の産地として、そして100種類以上の調理法を持つ 「鮭の町・村上」に到着。

 新潟の北端寄りにある村上は古い町並みを持つ城下町で、もともとの町並みに加えて風 情ある景観を復活させようと黒塀を作りなおすといった試みもなされています。瀬波温泉から 3kmという立地から、瀬波温泉に宿泊する人が軽い気分で立ち寄ってくれる観光地でもあり ます。


 ●村上の町並み 16:45〜17:00  ↓車で1km

村上の町並み  古い町並みを散策…と思ったんですが、車で駐車しながら巡りました。

 町屋ギャラリーとして陶芸品などが売られている「やまきち」や、お茶の「九重園」と いった店が並んでいるのですが、お店だけで殆ど見所が無いのが残念です。風情を感じるにも 普通の商店があったりと微妙です。


 ●富士美園茶 17:10〜17:30  ↓車で1km

富士美園茶  町並みを右折して大通りにあるお茶屋さん。冷たいお茶を出してくれました。なんでも商売 としてお茶を栽培している北限がここ村上なのだとか(秋田などでも栽培はしているものの 商売にならないようです)。

 静岡のような日照の多い土地とは違うため、お茶の渋みが出ないのだそうです。個人的 には渋みの無いお茶のほうが好きでこの冷たいお茶もスッキリとした味で飲みやすいです。

富士美園茶の店前  しばらく店のオバちゃんとお喋りしつつ村上茶羊羹を購入。村上は地震などの災害が起こ りにくい土地だそうで、それゆえ歴史的な建造物が多く残っているようです。

 富士美園茶のある大通りは電線を地下に埋めるといった工夫がされているので、景観が 良いです。


笹川流れをドライブ  さて、村上からさらに北へと走ると、奇岩の多い海沿いの国道があります。約15kmほど あるこの海岸線は「笹川流れ」と呼ばれている景勝地です。日本海特有の景観はどこか青森の 海岸線と似ています。

 車からでもその岩の存在感を感じ取ることができます。こういった変化に富んだルート のほうが、ドライブをしていて飽きにくいですね。


 ●道の駅・笹川流れ 18:00〜18:05  ↓車で21km

道の駅・笹川流れ  JR桑川駅に併設する道の駅。日本海に沈む夕日の中でも、ここから見る夕日が一番だと言 われています。残念ながら雨雲のせいで夕日は見えませんでしたが…。

 海沿いに遊歩道があり、日中であれば道の駅の中に入って高い場所から景色を楽 しむこともできます。遠くに見えるのは粟島です。


 ●はらこ茶屋 18:35〜19:15  ↓車で20km

はらこ茶屋の鮭定食  再び村上へと戻り、名物の鮭を食べることにしました。

 鮭定食1,260円。酒で味付けをした鮭の切り身(頭の部分っぽい)は、最初は苦味 を強く感じます。次第に適度な味になり美味しさが生きてきます。

 どちらかというと鮭のカツのほうが好みの味。サクッとした衣の油が鮭の味を良 くしています。


 ●湯元龍泉(瀬波温泉) 19:30〜21:10  ↓車で3km

瀬波温泉・湯元龍泉  巨大な宿泊ビルが立ち並ぶ瀬波温泉にある日帰り温泉。840円と少々高いんですが、開放 感のある広い露天風呂で長湯できるのが嬉しいところ。畳の休憩部屋もあります。

 匂いのある温泉で、硫黄というより「うがい薬のイソジン」のような匂いがします。打 たせ湯などを楽しみつつ内湯で体を洗ってサッパリして、今日一日の旅疲れを癒しました。


 ●道の駅・豊栄 22:00〜翌5:05  ↓車で40km

 昨日と同じく、新潟バイパスのサービスエリアで車中泊。
 上りでも下りでも同じ場所に入ることができます。


 新潟のおみやげ

こめ米煎餅  お米どころ新潟のお土産の代表といえばコシヒカリを使用したお菓子。特にせんべい商品が 有力です。お米のパフを乗せた「こめ米煎餅」が特にオススメです。

 白米バージョンと赤飯バージョンの二種類が入っています。煎餅とは思えない甘さを持 ったお菓子です。卵白、アーモンド、小豆を使用しているからでしょうか。純和風菓子と書い てあります。

村上茶ようかん  村上の富士美園のお店で購入した「村上茶ようかん」。お皿にあけなくても端を破って押し 出すと食べられるので食べやすいです。

 静岡などのお茶に比べて苦味が無い村上のお茶、だからこそ甘いお菓子として使うのに 向いています。甘くてやわらかくて美味しいようかんです。

阿賀野川せんべい  阿賀野川ライン舟下りで貰った「阿賀野川せんべい」。もちろん道の駅・阿賀の里でも購入 可能です。

 米どころ新潟の割には、原料が米ではなく小麦粉の煎餅が多いですね。甘みのあるお菓 子としてサクサクといただけます。表面には舟の絵が描かれています。




 観光地としてはどこも微妙な新潟。それぞれの町の規模が小さいこともあって見所が少 ないのが残念です。楽しいといえば楽しいんですが。

 車の移動に関しては渋滞もなくスイスイと進めるのが利点です。道路の幅も広く作られ ているので運転しやすいのがいいですね。

 やはり新潟は米どころ、水どころ、と言われるだけあって、満足のいく食事を堪能でき るのが一番のポイントだと思います。海の幸、山の幸、白飯、酒、それぞれが質の良い水によ って育まれている、素晴らしい土地なのだと実感しました。